ブックタイトルMEDICAL STAFF SESSION
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MEDICAL STAFF SESSION
【目的】本県では平成27年度から令和元年度の5年間で219名の肝炎医療コーディネーター(Co)を養成しており、医療従事者に限らず様々な職種のCoが活動している。本県の「肝炎医療コーディネーターの養成及び活用に関する要綱」にはCoを配置する機関と人数について明記されており、肝疾患診療連携拠点病院及び肝炎等精密検査実施医療機関、行政の肝炎対策担当部署には1名以上配置すること、肝炎ウイルス検査委託医療機関については1名以上の配置が望ましいとされている。肝炎ウイルス検査委託医療機関は、肝炎ウイルス感染者の早期発見や受診受療に繋げる重要な役割を担っており、Coの配置によってこれらの役割の促進も期待される。しかし、委託医療機関におけるCo配置充足率はわずか5%という現状があり、重要な課題となっている。さらに、本県の委託医療機関は令和元年度から令和3年度にかけて150カ所程度増加しているが、検査数は減少傾向、検査実績には偏りが見られており令和2年度に検査実績があったのは25%の施設であった。そこで、Co配置充足率の向上を含めた本県の取り組みについて報告すると共に、今後に向けた課題を検討する。【方法】本県では平成31年度よりCoを配置している委託医療機関は検査委託料の単価が上がるインセンティブを設けている。令和2年度はコロナ禍により養成研修は中止となったが、令和3年度は初めてオンラインによる養成・継続研修が実施され、研修案内と合わせて改めてインセンティブに関する周知を行った。また、委託医療機関を対象としたアンケートを実施した。【結果】養成研修は98名と過去最多の申込み数となり、これにより委託医療機関におけるCo配置率は13.6%と2.7倍以上の配置が見込まれている。アンケートは267施設のうち60施設の回答があり、その中で肝炎ウイルス検査陽性者を精密検査実施医療機関・肝炎専門医療機関に紹介していない施設が8.3%あることが分かった。また、2度目のアンケートでは回答方法を変更し173施設から回答を得たが、インセンティブを知らない施設が60%以上という結果となった。【考案】インセンティブに関する再度の周知とオンライン研修により受講者は増加したものの、さらなる配置率向上を目指して、委託医療機関の役割やCo配置の重要性について十分に周知し、効率的な養成研修の実施が不可欠と考えられる。また、ウイルス検査陽性者の対応等についても適切な情報提供や連携体制の構築が重要である。今後も継続的な周知と検査数の評価を行い、同時に検査数増加に向けコーディネーターと連携した市民への啓発にも取り組んでいきたい。SP2-P-51島根県における肝炎医療コーディネーター配置率向上に向けた取り組み黒松浩美1,矢﨑友隆1,中村健志1,伊藤昌子1,坂根はるみ1,安部紀子1,常松伸行1,三吉由美子1,福田明美1,來間未夢1,下諸可奈絵2,飛田博史11島根大学医学部附属病院肝疾患相談・支援センター,2島根県健康福祉部感染症対策室110