ブックタイトルMEDICAL STAFF SESSION
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MEDICAL STAFF SESSION
【はじめに】平成30年12月に肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業が開始された。B型・C型肝炎ウイルスによる肝がん・重度肝硬変患者の医療費負担の軽減を図りつつ、患者からの臨床データを収集し、肝がん・重度肝硬変の予後の改善や生活の質の向上、肝がんの再発の抑制などを目指した事業である。当院では、令和3年4月から、高額療養費に該当する肝がん外来関係医療、高額療養費に該当する肝がん・重度肝硬変合算関係医療(外来)を追加されたことを機に、院内での対象者拾い上げフローを検討したのでここに報告する。【方法】対象患者拾い上げフローは、消化器内科医師、看護師、薬剤師等で構成される肝疾患サポートチームにて、以下の流れで検討・構築された。①肝がん・肝硬変と診断のついている入院患者を電子カルテ上から抽出した。②主治医、病棟師長に確認の上、該当する患者に対し、肝疾患サポートチームのメンバーでもある肝炎相談センターのスタッフが部屋に訪問し、パイロット面談を開始した。対象となる患者の割合、面談にかかる時間、説明における問題点等を調査することで、説明内容の項目整理と説明方法の統一を図った。③次に、医事課内の入院係・外来係・収入/債権/証明係・公費医療係に対して、業務分担(窓口対応、医療記録票の作成等)についての提案を行い、院内全体で事業を進めていくための業務フローを作成した。④また、岡山県肝炎医療従事者研修会および肝炎情報センターが主催するブロック会議に参加し、他院における拾い上げ方法について情報を収集し、入院患者だけでなく外来に移行した対象者も確実に拾い上げるため、診療情報管理士に指定薬剤を利用している患者のリスト作成を依頼し、フローに追加後、運用を開始した。【結果】肝炎相談センタースタッフにて、令和3年11月末時点で45人の患者に病棟にて面談した。そのうち、今後助成制度の利用の可能性のある患者24人に助成制度利用のリーフレットをお渡しし、すでに6人が助成申請手続きを行っている。【考案】日ごろから肝炎対策には様々な職種が連携して活動している。医事課内でも細かく役割が異なり、役割分担と手順を確実に決めることが拾い上げに寄与したと考える。一方で、患者面談では、肝炎ウイルス感染を頑なに受け入れできず制度利用を拒む患者に遭遇したり、体調に合わせた声掛けや訪問タイミングを考慮したが立腹される患者もあり対応に苦慮する場面も経験した。今後、説明方法の工夫などもさらに検討が必要と考えている。SP2-P-53肝がん・重度肝硬変医療費助成対象者の拾い上げのための院内協力体制構築畑中信子(はたなか のぶこ)1,石田絵理1,山科由美子1,岩崎哲也2,秋山千絵3,難波志穂子4,足立卓哉5,竹内康人5,高木章乃夫5,岡田裕之51岡山大学病院肝炎相談センター,2岡山大学病院医事課,3岡山大学病院看護部,4岡山大学病院新医療研究開発センター,5岡山大学病院消化器内科114