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概要

MEDICAL STAFF SESSION

【目的】肝臓専門医と多職種の肝疾患コーディネーター(以下、肝疾患Co)による肝炎チームを発足し(現在計22名)肝炎ウイルス陽性患者拾い上げシステムの構築や、啓発活動などに取り組んでいる。2020年9月に実施した、術前検査を施行した入院患者に対する肝炎ウイルス結果の認識調査、および啓発活動後の肝疾患Coアンケートを行ったところ、肝炎ウイルス結果説明が不十分であることが明らかとなった。よって今回、肝炎ウイルス陰性結果説明の取り組みについて報告する。【方法】肝炎ウイルス結果のみを記載した報告書を新たに作成し、各科外来看護師が準備したのち、医師および肝疾患Coによる陰性結果説明を行うサポート体制を構築した(スライド①)。なお、肝炎ウイルス陽性例の場合は、これまでの肝炎ウイルス陽性患者拾い上げシステムを用いた。【結果】2017年7月から導入した肝炎ウイルス陽性患者拾い上げ効果については、スライド②に示す。肝臓専門医に対して紹介を行っていない割合は3.9%以下と低下した。またコロナ禍においてもDAA導入例は一定の割合で推移できた。2020年12月より陰性結果サポートを開始した。肝炎ウイルス陰性結果の説明実施率は、57%であった(調査期間13か月)。予定入院、外来通院、緊急入院に分類した場合、予定入院は75.3%、外来通院は32.3%、緊急入院は10.9%であった(スライド③)。診療科別では、眼科86%、整形外科78%、皮膚科79%、耳鼻科76%、泌尿器科58%、内科(循環器科・消化器内科・糖尿病内科・呼吸器内科)36%、外科32%、脳神経外科28%、救急科3%であり、救急科での結果説明が対応困難である可能性があった(スライド④)。以上の結果から、2022年3月より救急外来での緊急入院時における結果説明の方法として、看護記録監査を活用して対象者を拾い上げる対策を講じたところ、結果説明実施率は88%に増加した。【考察】予定入院以外の場合には、結果説明実施率が低い傾向にあり、緊急入院時における説明が困難であることが考えられた。さらに各科における看護師や肝疾患Co配置の有無が影響していると考えられた。肝炎ウイルス結果説明の重要性を周知し、緊急入院時や肝疾患Coなどの配置など、対応可能な範囲で取りこぼしがないように対策を構築する必要があると考える。【結語】肝炎ウイルス陽性のみならず、陰性結果も説明することで受検者自身が肝疾患について正しく認識することに繋がると予想され、肝疾患予防啓発対策において重要な取り組みと考える。SP2-P-5当院における肝炎ウイルス結果説明の取り組み河田真奈美(かわた まなみ)1,中村千恵子1,原田あいこ1,西川美鈴1,谷口智子2,高橋恭平3,宮尾めぐみ4,平本剛史5,長沖祐子61マツダ株式会社マツダ病院看護部,2マツダ株式会社マツダ病院臨床病理検査室,3マツダ株式会社マツダ病院薬剤部,4マツダ株式会社マツダ病院地域連携センター,5マツダ株式会社マツダ病院リハビリテーション科,6マツダ株式会社マツダ病院消化器内科018