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概要

MEDICAL STAFF SESSION

【目的】我が国の肝炎・肝がん対策の推進において活躍が期待されている肝炎医療コーディネーター(肝Co)は、全国すべての都道府県でこれまで約20,000人が養成されている。肝Coは看護師や保健師等すべての医療職や関係する行政機関の職員のみならず、患者や患者会、また一般市民の研修の受講を推進する都道府県もある。今回は、患者や患者会メンバーの肝Coとしての役割や患者が肝Co研修の推進を行う意義について検討した。【方法】1)患者や患者会メンバーの肝Coとしての役割、2)肝Coの認知向上の活動や受講を推進する役割、についての現状と課題を検討した。【成績】1)慢性疾患のため長期療養を強いられている肝炎患者は、自らの療養体験の中で医療者が知り得ない不安や差別偏見等について、都道府県における肝Co養成やスキルアップ研修会での講演等で講師として発信を続けている。肝Coの役割のひとつに患者支援があげられるが、感染症である肝炎患者の思いに触れるには患者が発信する、人には言えない感染者としての思い等を知ることが不可欠で、現在複数の都道府県や肝疾患診療連携拠点病院から受託している。一方、課題として、その活動の周知や受託方法の整備、人員、幅広い役割に対するスキル等が挙げられる。2)肝Coが地域の肝炎・肝がん対策で活躍するためには、肝Coの認知度の向上のみならず配置場所や役割が広く知られること、さらに幅広くCo養成を進める都道府県においては、様々な職種や地域での養成が求められる。そこで、患者会では、医療系の大学や専門学校の講義において肝炎患者としての経験や思いを伝え、また肝Coの存在や役割について説明、患者にとって肝Coがいかに重要な位置を占めているかを啓発し、さらに肝Co養成研修の受講が、医療者としてどれほど患者を深く理解することにつながるかを訴え、都道府県のCo養成研修会の受講を勧める取り組みをおこなっている。課題としては、これらの活動をより多くの地域に広げ推し進めていくことである。また、全国の医学部、看護学部、その他の医療系、保健系、福祉系、介護系の大学や専門学校に加え、今後は高校等にまで広がっていくことが望まれる。全国の医療者を目指す学生、一般の学校教育に浸透していくことで肝炎患者に対する理解がより深まり、結果として患者に対する偏見や差別の解消につながると考えられる。【まとめ】肝炎患者や患者会の役割として、肝Coとしての活動のみならず、我が国の肝炎・肝がん対策に関わる次世代の医療・福祉・介護従事者の育成に貢献したい。SP2-P-19我が国の肝炎・肝がん対策における肝炎患者や患者会の役割~「肝炎医療コーディネーター」としての活動と次世代の医療者への受講推進米澤敦子(よねざわ あつこ),鈴木和彦NPO法人 東京肝臓友の会1 23 4046