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概要

MEDICAL STAFF SESSION

1 23 4【目的】当院では消化器内科、医療安全管理室、肝疾患Coである臨床検査技師が協力して新規肝炎ウイルス陽性者の拾い上げと依頼医への文書通知による受診勧奨を2016年12月より開始し、2020年1月より電子カルテを利用し改善した。今回その実績を検証した。また、県内臨床検査技師会の研修会で報告し、陽性者拾い上げと受診勧奨における臨床検査技師の役割、重要性について発信し、臨床検査技師の肝疾患Co養成促進にも繋げる事を目的とした。【方法】①2020年1月~2021年6月の肝炎ウイルス受検者(HBs抗原検査12518件、HCV抗体検査7623件)中、陽性例はHBs抗原検査69件、HCV抗体検査181件であった。陽性例中依頼科が健診、ドック、消化器内科及び、過去にHBVDNA、HCVRNA検査済みのものを除外しHBs抗原13件、HCV抗体90件、計103件に対して文書による受診勧奨を行った。②2021年8月にコロナ禍を受けて検査技師会研修会を完全Webで開催し、当院での肝炎ウイルス陽性者対策につき報告した。講演後に臨床検査技師と肝臓専門医とで各職種の役割や他施設での導入の可能性、肝疾患Co養成の必要性等につき協議した。【結果】①HBV13例中DNA検査実施は8例で内4例が陽性であった。未実施5例は治療中1、結果説明済み1、詳細不明2、死亡1であった。HCV90例中RNA検査実施は41例で内8例が陽性であった。未実施49例は治療済み21、治療中5、結果説明済み15、詳細不明8であった。検査室への文書返信率は78.6%、消化器内科への紹介率は35.9%、HBVDNA、HCVRNA検査実施率は47.6%であった。1年半の検証でHBV4例、HCV8例の未治療者の拾い上げができた。その反面返信がなくカルテ上も未対応例があり、未治療者残存の可能性もある。②約100名が臨床検査技師会ホームページ等を通じて県内外より参加し、コロナ以前の対面開催と比較し多数であった。協議では自施設で取り組むために現在使用している書類の共有を求める等検査技師による受診勧奨の普及や肝疾患Co認知度の向上にも繋がった。【考案】検査室からの陽性結果の文書通知を受け、消化器内科への紹介、核酸検査、患者への結果説明、検査室への文書返信、カルテへの記載等が不十分なケースが散見される。肝炎ウイルス未治療者をなくすため、さらなる検証と運用の見直しを検討したい。また、今後県内における肝疾患Coの偏在解消や活動内容の共有、情報交換なども技師会活動を通じて行っていきたいと考える。SP2-P-26当院における新規肝炎ウイルス陽性者の拾い上げと県内臨床検査技師会での活動臨床検査技師会での肝疾患Coの活動普及の可能性と新たな取組みについて井上泰輔1,古屋良太(ふるや りょうた)2,清水由美2,齋藤晴久3,山寺陽一4,河合正行5,鈴木雄一朗1,佐藤光明1,榎本信幸11山梨大学消化器内科,2山梨厚生病院臨床検査室,3山梨厚生病院消化器内科,4山梨厚生病院,5甲府共立病院検査室060