ブックタイトルMEDICAL STAFF SESSION
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MEDICAL STAFF SESSION
【目的】B型およびC型ウイルス性肝炎は、治療せずに放置すると、肝硬変や肝がんに進行する恐れがあることから、早期発見と早期治療が重要とされている。2018年に三重県行政において『肝炎に関する診療体制及び肝炎患者の実態調査』を行った結果、B・C型肝炎検査陽性者に対する肝臓専門医への受診勧奨が必ずしも実施されていない現状が明らかとなり、当院においてもB・C型肝炎陽性患者を受診につなげる対策を講じるため2019年1月より肝炎拾い上げプロジェクトを開始した。今回、当院B・C型肝炎拾い上げ活動について、B・C型肝炎陽性患者に対する肝臓専門医への受診勧奨の進捗結果とその運用方法について報告する。【対象および方法】肝炎陽性患者拾い上げプロジェクトメンバーでは医師2名、薬剤師1名、医療安全管理責任者(看護師)1名、看護部(副看護部長)1名、臨床検査技師2名、医事課2名、総務課、システム担当者1名、社会福祉士1名の計11名(内、肝炎コーディネーター6名)で組織している。当院ではB・C型肝炎検査が施行された全患者内の陽性患者を検査技師が抽出を行い、医事課職員が検査依頼医に対し肝臓専門医へ報告を行う。検査依頼医はB・C型肝炎陽性患者に肝臓専門医への受診勧奨を行う。これら一連の流れをカルテシステムに入力することでシステム化を行い、1年間(2020年3月~2021年2月)受診勧奨の進捗状況を調査し、同時にHBs抗原,HCV抗体検査実施件数および陽性件数を調査した。【結果および考察】当院の1年間におけるHBs抗原検査は8,977件、HCV抗体検査は8,282件であった。HBs抗原陽性患者は91件、HCV抗体陽性患者は135件であった。カルテを用いた受診勧奨システムの結果についてはB・C肝炎ウイルス陽性患者数226件のうち、肝炎紹介件数160件(71%)、肝炎返信件数153件(68%)であった。課題としてB・C型肝炎陽性患者拾い上げ活動では当院が拾い上げ開始を行った2020年3月以前に遡って患者抽出を行えること。また、現在はすべての患者に対し抽出をシステマチックに行っているが、今後は患者固有の情報を考慮した上での患者抽出も検討する必要があると考えた。SP2-P-28当院におけるチームで取り組むB・C型肝炎陽性患者拾い上げ活動の取り組みと運用方法について大矢知崇浩(おおやち たかひろ)1,矢野孝明1,藤田徹子5,飯田修5,早川武司4,清水みどり4,橋本陽3,矢橋知子1,野尻圭一郎2,大矢由美2,泉道博2,中川直樹2,石田聡21地方独立行政法人桑名市総合医療センター検査室,2地方独立行政法人桑名市総合医療センター消化器内科,3地方独立行政法人桑名市総合医療センター薬剤部,4地方独立行政法人桑名市総合医療センター看護部,5地方独立行政法人桑名市総合医療センター医事課064