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概要

MEDICAL STAFF SESSION

【背景】HCV・HBVが内服薬のみで治療可能となり、肝炎は 克服可能と言われるようになり久しい。一方で、県内の HCV に対する直接作用型抗ウイルス薬による治療の助成申請数は、ここ数年横ばいで推移している。潜在的な肝炎患者の存在が示唆され、症例の掘り起こし・受診勧奨の場での肝炎医療コーディネーターの活躍が期待されている。また肝炎診療に関連した多様な制度への理解向上や、治療後のフォローアップにもコーディネーター養成は欠かせないと考えられる。肝炎医療コーディネーターのさらなる発展のため、本県での肝炎医療コーディネーターの養成状況と活動事例を共有する。【成績】本県では2021年9月までに778名の肝炎医療コーディネーターを養成した。肝炎医療の均てん化のためコーディネーターの地理的配分・職種配分を検討し、新型コロナウイルスの流行前にはコーディネーター不足地域へ訪問し講習会を実施してきた。新型コロナウイルス流行下ではWeb上でのライブ/オンデマンド配信を実施するにあたり、特に県内で少数であった自治体での肝炎ウイルス検診を担当する部署の職員にフォーカスして講習会を実施した。当院ではコーディネーターの実際の活動の場として、大きく2つの取り組みが挙げられる。1つ目は入院患者を対象とした、院内の肝臓非専門医で実施される肝炎ウイルス検査の結果報告、及び肝炎ウイルス陽性症例への介入である。ここでは病棟クラークが肝炎ウイルス検査結果説明を行い、同時に陽性症例では結果の認識/非認識、通院の有無に関する問診を実施し、介入が必要な場合はMSWや医師が引き継ぐシステムとなっている。2つ目は院内での肝がん重度肝硬変治療研究促進事業が申請可能症例の拾い上げである。医事課に担当者を設置し、入院症例では病名から、外来症例では化学療法治療薬の有無から症例を拾い上げ、候補症例では説明を行い申請へと繋げている。【結語】肝炎ウイルスのEliminationを念頭にした今後の診療では医師以外の関わりが不可欠となる。今後も肝炎医療コーディネーターの養成を続け、県内の肝炎医療レベルの向上を図る。SP2-P-39本県での肝炎医療コーディネーター養成の現状と活動事例紹介酒井規裕(さかい のりひろ)1 ,薛 徹1,2,5,荒生祥尚2,5,澤栗裕美2,廣川光2,3,星田和哉3,是永匡紹4,5,寺井崇二1,2,51新潟大学医歯学総合病院消化器内科,2新潟大学医歯学総合病院肝疾患相談センター,3新潟大学医歯学総合病院患者総合サポートセンター,4国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター肝炎情報センター,5新たな手法を用いた肝炎ウイルス検査受検率・陽性者受診率の向上に資する研究班086