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活動事例

肝CoインタビューVo.5

マスター肝Co

「つなぐ事務」
肝炎医療コーディネーター・
相談員 事務・中原真由美さんの軌跡
─ 「不安から始まり、支える仕事に
誇りを見いだすまで」─

相談員 中原真由美さん

誇り ─ 小さくても「役に立てた」と感じられる瞬間

「ボランティアのような仕事かもしれません。でも、少しでも患者さんの役に立てたと感じる場面に出会えた時、続けてよかったと思います」。医療者ではない事務職として肝炎医療コーディネーター(肝Co)を担う中原真由美さん。
診察や治療を行う立場ではないからこそ、患者さんの不安にいち早く気づき、必要な支援へ“つなぐ”ことができる。その仕事は表立って目立つものではないかもしれないが、確かに人を支えている。

はじまり ─ 「電話が鳴るのが怖い」ほどの不安から

肝Coになったきっかけは、拠点病院の専任事務員として働いていたことだった。 しかし本人にとって医療機関での勤務は初めて。始まりは、期待よりも不安が先に立った。「相談の電話が鳴る緊張がありました。医療機関で働いたことがなく、電話口で「あんた、何も知らんね」と患者さんから言われたこともありました。」それでも、前に進めたのは周囲の支えがあったからだという。
「センターの先生方が、どのように対応されているか横で聞きながら学び、そういう私を温かく指導してくださいました。」未経験でも学びながら育ててもらえる環境が、最初の一歩を支えた。

手探りの現場 ─ マニュアルなし、正解も見えない日々

初めて患者と向き合った時は、「何を聞かれ、答えられるのか」と不安しかなかった。マニュアルも整っていない中で中原さんが徹底したのは、「一人で抱えこまない」ことだった。分からないことは医師や同僚、行政担当など周囲に何でも聞き、確認し、学んで次へつなげた。 そうした苦労の中で気づいたのは、「医療の専門知識を全部自分で抱える必要はない」ということ。「相手の立場で考え、気持ちと状況を想像し、必要な情報へ導いて適切な人へつなぐ」。それこそが、医療者ではない事務職の相談員としての最大の強みだと確信した。

つながり ─ 仲間が増え、「支える仕事」が循環し始める

活動を続けるうちに、会議や学会、研修会を通じて他の施設や他の地域の肝Coともつながりが生まれた。「他の医療機関の看護師さんに相談対応のコツを教えてもらったり、全国にたくさん知り合いができました。楽しいですよ!」と語る。
そしてある時、県内の他の肝Coから相談を受け、「自分たち拠点病院の活動が役に立っている」と実感した瞬間があった。患者を支えるだけでなく、同じ役割を担う仲間をも支える側になる。中原さんの“支える仕事”が、組織や地域を越えて少しずつ循環し始めたのだ。

今と未来 ─ 「動ける肝Co」を増やし、輪を広げる

現在の中原さんの主な役割は、肝Co活動の手助けだ。表に出る場面は多くなくても、活動が回るための準備や調整、支援といった裏方の仕事を力強く担っている。
そして明確な次の目標がある。それは「肝Coが活動できる環境を作ること」と「自ら動ける肝Coを養成すること」だ。「医療者じゃない私でも、ここまで関われました。だからこそ、肝Coの輪を広げていきたいんです」不安から始まった仕事は、仲間と学びに支えられ、今は“誇り”として続いている。

若い世代へのメッセージ

肝Coになると、全国にたくさんの知り合いができます。
学びながらで大丈夫。自信は自己研鑽でついてきます。 一緒に、動ける肝Coを増やしていきましょう。

電話の音に怯えていた医療機関未経験の事務員は、相手の心に寄り添う対話を重ね、今や全国の仲間と連携して肝Coを育てる頼もしい「黒子」となった。
中原さんの紡ぐ「つなぐ支援」は、今日も誰かの背中を優しく押し続けている。

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